第14章 ゴミはゴミ箱にいるべきだ

驚き、ですか。

南坂海乃はわずかに首を傾け、彼の肩越しに窓の外――冴え冴えとした欠け月を見た。

二日後。

それは彼女の誕生日。

そして、この世界から消える日でもある。

確かに、驚きだ。

ゆっくりと手を引き抜き、口元にごく薄い笑みを浮かべる。嘲りにも、解放にも見える笑み。

「いいよ」

囁くような声は、窓辺を抜ける夜風みたいに頼りなかった。

「楽しみにしてる。黒谷優」

……

翌朝、黒谷優は会社へ向かった。

「明日のサプライズの最終準備がある」と言い、出がけに南坂海乃の額へ軽く口づけると、「ちゃんと休んで」と念を押す。

玄関の扉が閉まった瞬間、残り火みたいな温もりも、すう...

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